100年マンション研究会の事例
~千葉県千葉市Cマンション~
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住民の声を反映した耐震補強に向けて
築40年を超え、長年の心配の種となっていたのは旧耐震基準であったこと。 東日本大震災後に実施した大規模修繕工事完了を契機に、本格的な耐震補強の検討がスタート。住民が高齢化するなか、代替わりを見据え、住民ひとりひとりの声を拾い上げ、丁寧な住民説明会を何度も繰り返してきたことでやがて合意形成が構築され、永く安心して住み続ける愛着ある100年マンションを目指し耐震補強工事が実現しました。
Property Outline - 概要
千葉県千葉市Cマンション
- 竣 工
- 1974年10月(旧耐震基準)
- 構造規模
- 鉄筋コンクリート造
1棟 地上6 階 塔屋2 階建て 134世帯
延床面積12,984.65m2敷地面積8,159.26m2
耐震補強工事の実施
- (1)工事期間
2017年9月~ 2018年7月 - (2)補強概要
- フレームタイプ/セスレット工法
- 階段室窓の閉塞
- 構造スリット
- ブロック造部分改修
工事費用
耐震補強設計費((株)齋藤建築設計事務所) | 22,680,000円 |
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設計コンサルタント業務費(伊藤忠アーバンコミュニティ(株)) | 631,800円 |
総額 | 23,311,800円 |
耐震補強工事費(旭建設(株)) | 165,456,000円 |
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工事監理費((株)齋藤建築設計事務所) | 5,940,000円 |
工事コンサルタント業務費(伊藤忠アーバンコミュニティ(株)) | 972,000円 |
総額 | 172,368,000円 |
- 千葉市マンション耐震改修費補助金
- 設計費 2,000,000円(上限金額)
工事費 15,600,000円(上限金額)
- 住宅金融支援機構融資
- 融資総額(住宅金融支援機構) 136,000,000円
- ※保証料((公財)マンション管理センター)2,135,200円
耐震補強概要
コの字型に並んだマンションを、
中棟の正面から見た図。4つの手法を
組み合わせ、耐震補強を行いました。
①フレームタイプ/セスレット工法
施工前
施工後
ロの字型のフレームをサービスバルコニー側(中庭側)に、西・東棟含め計12箇所取り付け。
- ※1~5は鉄骨フレーム取り付け工事の様子
②階段室窓の閉塞
施工中
施工後
階段室の窓の一部を耐震壁とすることで、建物の強度の向上を図った。
③構造スリット
施工中
施工後
衝撃への耐性向上のため、一部住戸の壁面外側に切り込み+シーリング材充填。
④ブロック造部分改修
施工中
施工後
診断時、外壁の一部がブロック造と判明。落下の危険性を考慮し、改修。
Customer's Voice - お客様の声
100年マンション化へ向けた合意形成の歩み
理事会は、長らく管理費を上げない努力をしてきました。今回も、一時金負担や修繕積立金値上げのないことが、合意を得るうえで大切と考えました。しかし、融資を受けることで今後の修繕積立金会計が赤字になるのは避けなければならない。工事後の修繕計画と資金繰りの計画をしっかり立てて、融資を利用する方向で検討することにしました。
検討をするなかで、一度は建替えも視野に入れましたが、結局、費用面で現実的ではありませんでした。しかし、後から「別の選択肢はなかったの?」という不満が出るのは避けたいものです。考えられる選択肢を事前に調べ比較しておいたことで、円滑に合意を得られたと思います。
住民の理解を深めるための過程は、省略するより確実に行うように心がけていました。住民に配布する説明資料は、少ない枚数で専門用語は避け、図を多用しました。赤字入れと推敲を何度も重ねましたね。また、施工会社も3社から見積もりを取り、金額以外にも注目。公共施設だけでなく、マンションの耐震補強実績(=住民対応実績)がある会社を選びました。そして、検討開始から工事完了まで約3年、理事会の任期を超えた期間がかかっているわけですが、建築に詳しい住民の方々の協力も得ながら頓挫することなく進めることができました。